一番大事なのは「こころの健康」

だいぶん、暖かい日も増えてきた今日この頃、、、

入学式も終わり、新しい生活の緊張感も少しは緩み、

いつもの自分を取り戻す時期が近づいてきていることと思います。

桜が舞う頃には、

こないだまで学校に行けなかった子どもが、

「春」というこの時期をきっかけに、学校復帰に頑張ったお子さんもいたのではないかと思います。

 

木々も芽吹く季節の春、

「生命力」を感じて、とても力強く感じます。

 

Contents

この春に頑張ったある少女の話

 

この子はこの春、中学生になりました。

それまでの彼女は小学生の途中から学校が苦手になり、

学校に行かないことを選び、

フリースクールに通っていました。

そんな彼女が、

「同じ年の友達を作りたい!」という思いから、

苦手なはずの学校にもう一度行こうと決めました。

 

彼女は小学生の時ころから、髪も茶色、ピアスもしています。

一般的な人からしたら「え?」と思うかもしれませんが、彼女の周りの人は

そのことも認めてくれています。

子どもの外見ではなく、内面をみます。

彼女の親ももちろん同様です。彼女が「自分らしく」居られることが一番だと考えています。

しかし、一般的な中学校に行くには、これが障害となりました….

 

入学式は

他の同級生と一緒に出ることは許されませんでした。

けれど、

彼女の登校したい気持ちは尊重してくれ、彼女一人の特別入学式をしてもらいました。

 

そのことが良かったのかはわかりませんが、

その入学式の後に担任の先生から、

「髪は黒くしないと、教室に入れないよ。」と伝えられました。

今まで、誰が何を言っても黒くするのを拒んでた彼女が、「黒くする!」と言いました。

その時、

彼女の「同じ年の友達を作りたい!!」という気持ちが、

本物で、今まで行かなかった学校に【行く!!】という決意を感じました。

 

そして、次の日、

朝は6時に起き、7時40分には歩いて登校しました。

(こんなこと何年ぶりだろう!??)

 

しかし、

その日以来、彼女は学校に行かなくなりました….

 

なぜ、行かなくなったと思いますか?

彼女に何があったんでしょうか?

 

彼女が登校した夜に、

担任の先生から電話があり、

「今日は髪を黒くして来てくれて良かったです。次は、指定のカバンを持たせてください。」

 

 

………..

 

 

担任の先生は彼女の何を見ていたんでしょうか?

 

彼女の親は、

「先生、私が一番大事にしているのは彼女の【こころの健康】なんです。

入学式当日の夕方に髪を黒くしてきたことも、次の日登校したことも、彼女にしたら本当に大きな覚悟をしたんです。

先生の話から、彼女自身が決めて黒くしたり、登校したりしているんです。

次から次へと、周りと合わせることを言うより、まずは彼女の覚悟を認めてあげてもらえませんか?

その次に、彼女が指定のカバンを持ちたくなることを待っていただけませんか?

今の友達を作りたいから学校に行きたい!と思った気持ちを大切にしていただけないでしょうか….」

と伝えましたが、

遠回しに、指定のカバンを持ってくるように言われたこと3回、

上の話をすること3回...同じ話ばかり3回して、結局指定のカバンを持ってきてくださいで終わりました。

 

誰も悪くない

 

私は、今回の出来事は誰も悪くないと思っています。

学校側も担任の先生も、きっとできる範囲内で対応してくれたんだと思います。

 

しかし、

この対応では彼女は学校に行けなくなりました。

 

 

本当に「できる範囲」というものは、それでいいんでしょうか?